【 読書の部屋 】 会員おすすめの本一覧 |
読書の参考のために、皆さんが読んで感動した本、おすすめの本をご教示ください。 @ 書名 A 作者 B 簡単なおすすめポイント。とくに投稿者名は表示しません。
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<書 名> | <著 者> | <おすすめポイント> |
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「悪魔の飽食」 <日本細菌戦部隊の恐怖の実像!> |
森村 誠一 | 第二次世界大戦中の日本の人体実験を告発する内容で1981年に刊行、三百万部を超えるベストセラーになった。誤った写真が掲載されていたことが問題となり、絶版・改収となったが、後に改訂版が出版された。 日本陸軍が生んだ"悪魔の部隊"、この細菌戦部隊(通称石井部隊)は日本全国の優秀な医師や科学者を集め、ロシア人・中国人など三千人余の捕虜を対象に、非人道的な数々の実験を行った。本書は極限状況における集団の狂気とその元凶たる"戦争"に対する痛烈な告発の書である。 元隊員数十名へのインタビューを基にしたドキュメンタリーで、証拠の誤用や流用が発覚して、本書は厳しく批判されたらしいが、それを差し引いても一読の価値はあると思う。戦争を知らない今の若い世代の人達こそ読むべき本であろう。 |
「ノースライト」 <作家自作を語る・・・画像クリック> |
横山 秀夫 | TVドラマ「臨場」や映画「64」、「クライマーズ・ハイ」、「半落ち」など、警察詰めの新聞記者出身らしい生々しい描写の作品を読んできたが「ノースライト」は新聞記者も警察も数ページしか登場しない。 「あなたの建てたい家を建ててください」との施主吉野の希望で建てた、ノースライト=北の明かりを取り込んだ家にはドイツの建築家ブルーノ・タウトの作品と思われる椅子のみが残された。施主は引っ越してこない、なぜだ。 主人公の一級建築士青瀬稔は建築設計事務所オーナー岡嶋と事務所の命運のかかったコンペに取り組む一方で吉野を探す。青瀬の生い立ちと離婚した妻娘との関わり、コンペに関わる岡島への贈収賄の疑いの中での突然の死。それぞれが絡み合う中で明らかになる結末は胸を揺さぶり、思わずこみ上げる涙を抑えられない。 |
『K2』服部文祥著。 (新潮文庫『息子と狩猟に』に収められている) 世界最難関の雪山で飢えと寒さに蝕まれていく極限の状況下、人の倫理観の矛盾を鋭く問う短編「K2」。サバイバル登山家が実体験を基に描く唯一無二の犯罪小説。 |
服部文祥 | 全身硬ッテ力ナシ、何トカ湯俣迄ト思フモ有元ヲ捨テルニシノビズ、死ヲ決ス
サイゴマデ タゝカフモイノチ、友ノ辺ニ スツルモイノチ、共ニユク
我々ガ死ンデ 死ガイハ水ニトケ、ヤガテ海ニ入リ、魚ヲ肥ヤシ、又人ノ身体ヲ
作ル 個人ハカリノ姿 グルグルマワル
昭和前期に活躍した登山家松濤明が、激しい風雪のため槍ヶ岳北鎌尾根においてパートナー有元克己と共に遭難、1949年1月6日26才に死去。7月に発見され、残された日記に記されたもの。 これがこれから紹介する小説のキーワードになっています。 K2登頂を目指すパーティーが天候悪化とともに仲間と離れ離れになる。2人が浅いクレバスを発見しそこに潜って吹雪を回避。食料もなく酸素も使い切る。4日目の朝天候回復とともに脱出し生還するが、その生還の条件になったのが冒頭の日記と登攀時発見した遭難したイタリア人の遺体でした。 |
黒書院の六兵衛「上・下」 | 浅田 次郎 | 勝海舟、西郷隆盛が江戸城無血開城で合意、これを受け尾張藩下級藩士・加倉井隼人が城明け渡しの準備を任される。 そこに、借金まみれの将軍直属の御書院番士の身分を金貸しから買い上げ的矢六兵衛に成り済まして登城し場内に居座る。 この的矢六兵衛、借金だらけの無能な本人と真反対の武士の鑑とも見える者で、威儀を正したまま一言も発せず加倉井隼人を悩ませる。 幕府が揺らぎ、戊辰戦争に敗れて時代は明治に変わるが、武士とはどんなものなのかを江戸城明け渡しのドタバタ劇に挟んで見せた面白話。吉川晃司主演でドラマ化されDVDにもなっています。 |
流転の海(全9巻) | 宮本 輝 | 著者自身の父をモデルとした主人公の半生を描いた大河小説。1982年に雑誌連載をスタートし、2018年にシリーズ完結となるまでに、なんと35年間も連載してきたという超大作。読み応えあり。読みだすと止まらない |
花埋み(はなうずみ) | 渡辺 淳一 | 日本最初の女医、荻野吟子の生涯を題材とした作品。(熊谷市出身)。今年(2019年)10月、映画 「一粒の麦 荻野吟子の生涯」が公開されます。 |