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「女偏」にこだわる

・・・漢字は、女好き?・・・
 女偏の漢字をひろってみると・・・姓、好、婦、嫁、奴、如、妃、妓、妊、妨、妙、妖、姐、姑、始、姉、妹、姆、姻、姪、姨、娯、娠、姫、娩、娘、婚、娼、婉、媛、婿、嬉、嫺、嬬、嬪、嬾、・・・ 数え切れないほどあります。およそ900字ほどあるといわれています。

それでは、「男偏」の漢字は・・・せいぜい「嬲る」(なぶる)くらい。ほかには見当たりません。なぜなのでしょうか。漢字は、源氏とおなじように「女好き」なのか・・・。

女偏の漢字をいくつかひろって、その字源を調べてみた。
まず、「姓」の字。女が生れる=姓名。この漢字が出来た時代は、男もいたはずなのに、なんで「女偏」なのか。 当時は、きっと母系制社会で、基本は「女」だったのでしょう。

 それでは、女偏の漢字で、「女の一生」をたどってみましょう。
台は胎の元字で、胎児の意。姓と同じように、ここでも、ものの始めに女がかかわっている。
昏は、夕暮れをさし、結婚が夕暮れに行われたため出来たとされています。
女の因るべきところ。すなわち嫁ぎ先の意。
昔の結婚は、家と家の結びつきでした。
昔はたしか姙だったと思うが、任は責任の任で責任重大ということか。。
辰は震や振のように、フルエルの意味を持つ。胎児の振動を意味するか。女がふるえると子をはらむ?
免は女が子供を産み落とす姿勢の象形とされています。
生れたところが、家臣の身分ならば「姫」とよばれる。
卑しい身分ならば「婢」と呼ばれたのが昔の日本です。
「娘十八番茶も出花」といわれるところが、女性にとってもっとも「良」き時代なのか。
姉妹女のきょうだいは、このように女偏ですが、男のきょうだいは兄弟で、男偏ではありません。
襄は、上に通じて目上を意味している。
女と帚(ほうき)の組み合わせ。女は帚で掃除をし、男は田んぼで力しごと。
夫婦も、何年かたち亭主の鼻につくようになると、嬶(かかあ)と呼ばれるようになる。
女の古くなったのを「姑」とは、きつい。ただ、現代中国語に「姑娘(クーニャン)」があり、年若い女、未婚の女を姑であらわしているので、中国と日本の感覚は逆です。
老いると「姥」とは、さらにきつい。

このほかにも、いくつかひろってみました。
子を、男の子ととると、男女の美しい状態が感じられます。いい感じです。
兼はカネルで、とくに悪い意味ではないが、女偏がつくとキライになる。女のキライキライも好きのうち・・・か。
女のでしゃばりは今も昔も敬遠されるようで、女は口答えなどせずに従順に従うということか。
嫉妬源氏物語は、男女のネタミの物語でもあります。この字源はどうもはっきりわかりません。ねたみという心の状態を豊かに創作しているとでもいえるのでしょうか。
どこかなまめかしい感じです。女が眉をうごかして悦びのさまを示しています。

ほんの一部ですが、このように「女偏」の漢字の重みを感じます。
「女」は強い・・・・・・。


<女偏の漢字の後日談>

「男偏」の漢字がないかわりに、「男」に関する漢字はないか・・・・。をいろいろ調べていくうち、漢字の「漢」の字が、男をあらわしているのがわかった。
たしかに辞書を引いてみると、「男子。おとこ」とある。そして、好漢、悪漢、痴漢、門外漢、無頼漢、冷血漢、熱血漢・・・・男のことをあらわしていることばがたくさんある。
肝心の「漢」の字が、男をあらわしているとは、灯台もと暗し。納得。


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